「国産ジビエ」とは…?

28/06/2021

最近見かけることが多くなった「ジビエ」。 通年を通して、レストランなどで見かけることが多くなったのはなぜでしょうか?

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皆さん、最近レストランのメニューで国産のジビエ肉を見かけること、増えていませんか?

普段スーパーなどでは見かけることがないので、レストランでジビエがあったらそちらを絶対選ぶ! という方もいるかもしれません。

ゴ・エ・ミヨでも、自分で狩猟免許を取り、積極的にジビエ肉と向き合うシェフをご紹介することが多くなったように感じます。

 

でも、この「国産のジビエ肉」、なぜ増えてきているのでしょうか?

そして、口にすることが多くなったからこそ、気を付けるべきこととは?

 

正しい知識を学ぶべく、日本ジビエ振興協会・代表理事であり、ジビエをスペシャリテとするオーベルジュ・エスポワール(長野)のオーナーシェフ、藤木徳彦さんのジビエ講習会に参加させていただきました!

 

当日の様子をお伝えする前に、まずは国産ジビエと、ジビエ肉の注意点についてご紹介しましょう。

 


◆国産ジビエについて


ジビエ(gibier)とは、ご存知の通り、フランス語で食用として捕獲された野生鳥獣、またはそれらを使った料理を表します。秋・冬の狩猟時期をメインとして、日本でも11月15日~2月15日という期限つきで楽しまれてきました。

 

しかし、近年では農業被害対策の強化によりシカやイノシシ等が1年を通して手に入るようになってきています。

対策として捕獲された頭数は、平成30年時点でシカ・イノシシだけでも約90万頭に及びます。しかし、そのうち食肉への利用は約10万頭と、わずか11%程度にすぎないのです。

 

シカやイノシシなどの野生動物は運動量が多く、豚肉や鶏肉に対し、しっかりした肉質を持ち、特にシカは脂肪量も少なく、かつ鉄や亜鉛、ビタミンを多く含み、高い栄養価を持ちます。

だからこそ、食肉としての利用を増やし、農業と食のサステナビリティ両方にとってのメリットを高めていこうという動きがあるのです。

 

とはいえ、「ジビエ」と聞くと安全性や、独特の臭みを想像して、敬遠される方も多いのではないでしょうか?


 

◆ジビエ肉をあつかうとき、いただく時に気をつけることとは?


野生動物であるからこそ、安全に楽しむために、気をつけるべきことがあります。

 

その①

必ず解体・加工・販売に必要な営業許可を取得した施設(食肉処理業・食肉販売業)から購入したものであること。


例えば、猟師さんが直接販売、または猟師さんから直接購入することは法律で禁じられています。許可なく販売した場合には、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が、さらに飲食店がこのルートで購入し、食中毒が発生した場合には、営業停止の可能性もあります。

 

ジビエ肉に関しては「産地直送」が必ずしも美味しさや安全性を保証するものではないのです。

お客さんも、飲食店で疑問や不安を覚えたら、そのジビエは、どこから、どうやって仕入れているのか、聞いてみることが大切です。

 

最近は、自ら食肉処理施設をつくり、猟から食肉処   理まで手掛ける料理人の方もいらっしゃいます。これらは条例等で定める施設基準を満たし、都道府県知事等に申請して営業許可を受けたものについては問題ありません。

 

2021年6月1日現在のジビエ処理加工施設の一覧はこのリンクから確認できます。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/attach/pdf/hanbai-6.pdf

※都道府県から報告のあったジビエの処理加工施設を取りまとめたものであり、国内の全ての施設を網羅したものではありません。

 

その②

飲食店の皆さんは、処理施設から届いた肉、購入した肉に、異臭や獣毛、異物の付着がないことを確認しましょう!


調理するときも、生食などの感染リスクを徹底的に避け、必ず必要な温度・時間での火入れを行うようにしましょう。(詳しい温度の話は、講習会当日の様子でご紹介します!)

 

農林水産省では「食肉処理施設の自主的な衛生管理等を推進するとともに、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図ることを目的に」2018年5月、「国産ジビエ認定制度」を設けました。



◆国産ジビエ認証制度とは?


国産ジビエ(シカ・イノシシ)の安全・安心をガイドラインによって担保し、ジビエの利用を促進しようという制度のことです。

処理施設において、厚生労働省の定めるガイドラインが守られているかを客観的にチェックし、審査を合格した施設から出荷する食肉は認証マークを付けて販売することができます。

 


認証をうけた製品のラベルでは、QRコードなどでの読み取りにより、 捕獲した日や、場所、捕獲方法や捕獲者、解体された日まで追え、より安心して口にするための情報を得ることができるのです。


 



現在、認証された食肉処理施設は全国に24か所あります。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/ninsyou.html

 

なぜ、まだ24か所しかないのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

実は、申請自体は国からの補助で負担が少なくて済むのですが、要件の1つであるトレーサビリティを実現するためのシステムの導入がハードルとなるケースが多く、そこが現在の課題となっているようです。

 

SDGsの観点からも、これから目に、口にすることの多くなる可能性を持つジビエ。

ぜひ仕組みや安全性について理解を深めてください。


 

このウェブサイトでは、ジビエシリーズとして次の記事を公開予定です。お楽しみに!


 

Part 2 ⇒ジビエ講習会に参加しました!【前半】

Part 3 ⇒ジビエ講習会に参加しました!【後半】

 


参照:日本ジビエ振興協会ホームページ

https://www.gibier.or.jp/