忘れられないごちそう

ゴ・エ・ミヨ フランスのニュースレター特別版より、ジャーナリストであり作家のMatthieu Noli氏の文章をご紹介します。

45歳以下の人が知り得ない時代のことをお話ししましょう。


オーギュスト・エスコフィエ氏が1919年に当時の大統領、レイモン・ポアンカレ氏よりレジオンドヌール勲章を料理人として初めて授けられて以来、料理人はこの国において最高位の評価を受けてきました。


そして、リヨンの天才 -その翌年にゴ・エ・ミヨからナポレオン4世と称されたー が、スープV.G.Eを産み出したのも、彼がレジオンドヌールを受勲したときでした。アルデシュの農家で味わった削ったトリュフと、アルザスでの狩猟会の際にポール・エーベルラン氏がつくった、トリュフをパイ生地で覆った料理から発想を得て装飾され、鶏と牛のスープを組み合わせた一皿は正に比類なきものでした。

ボキューズ氏が発したおなじみの一言、「蓋を割るのです、大統領」は忘れられることはないでしょう。


だがしかし、当日参加していた他の偉大なシェフのことを覚えているでしょうか?

シャルル・バリエ、 アラン・シャペル、ジャン=ピエール・エーベルラン、ルイ・ウーティエ、トログロ兄弟のサーモンのオゼイユソース、ミッシェル・ゲラールの鴨のジュレとフォアグラを添えた鴨肉の薄切り、ロジェ・ヴェルジェのサラダ、モーリス・ベルナションのシェリー漬けのグリオット入りガナッシュを詰めたジェノワーズ…


この食卓でサーヴされたグランクリュを覚えている人は?

1970年のロマネ・コンティのマグナム、  1926年のシャトー・マルゴー、ポール・ボキューズ氏の生まれ年である1926年のロデレール、  この素晴らしい宴を締めくくった1893年のバ アルマニャック ラベルドリーヴは?


何て素晴らしい会なのだろうか!

何て幸せな出席者たち!


この時代、私たちは「きちんとテーブルに着いている」ということを知っていました。

携帯をチェックしたり、コレステロールを計算したり、行き過ぎた言葉がないか過敏になることもありませんでした。


さあ、この外出禁止が解かれたら、こんな見事な「ごちそう」を共有しようではありませんか…!