のびのびと創作に取り組む斉藤貴礼氏。ラール・エ・ラ・マニエール、プロビナージュを経て2016年8月オーナーシェフとして独立。
和食や中華料理をはじめ、世界中のスパイスやハーブで食材の様々な表情を引き出しつつ、フランス料理へと纏め上げる。ホワイトアスパラガスはサラダと共にライスペーパーで巻いて。透けて見えるエディブルフラワーが鮮やかな一品。柔らかな穂先から根元に向かって一口ずつ味と食感が変化する。オーストリアの混植混醸の白ワインの複雑味と微かな苦味が響き合う。蟹とモリーユのスクランブルエッグは、濃厚な甲殻類と茸の旨味を纏ったふわっと蕩ける卵に、時折レモンバーベナが鼻孔をくすぐる逸品。ソムリエは料理にも精通し、心地良いサービスとマリアージュでキッチンとテーブルを繋ぐ。ワインリストはブルゴーニュ、欧州を中心に主要国を網羅。お任せのコースメニューの他、アラカルトでワインバーとしての利用にも対応する。カウンター席ではシェフとの会話の中からメニューにないひと皿を創作してくれることも。正統派の味わいを探求しつつも、独創的に、皿に盛り込む風味の多様性とその調和を果敢に表現しようとする志は潔い。
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