世田谷、祖師ヶ谷大蔵駅にほど近い住宅街にある、北イタリア、ピエモンテ州の郷土料理に焦点をあてたリストランテ。オーナーシェフ堀川亮氏が、イタリア北中部での修業経験を発揮すべく、地元であるこの地に2000年創業。堀川氏が修業した、ピエモンテ州の渓谷に隠れ住んでいたという「ヴァルド派」の郷土料理コースでは、スペシャリテ「仔羊の藁包みロースト」が味わえる。仔羊の塊を藁で包み、紙で覆ってオーブンでじっくり焼き上げると、かぐわしい藁の香りとともに、引き出された肉のうま味が一体となって脂まで美味。緻密に色づいたロゼの断面は愛おしいほどに美しい。農家料理として伝承されたこの一品を、リストランテの逸品へと昇華し、現代から未来に向けて進化し続ける技量は、長年積み上げてきた堀川氏の努力の賜物である。「菜園」と称する前菜では、様々な調味、調理法を用いた契約農家の鎌倉野菜が菜園を再現するように盛り付けられており、味わいの構成と盛り付けのセンスが光る。郷土料理のみならず、現代イタリア料理としても大いに愉しむべき店である。
フィオッキ(Fiocchi)で食事をしましたか?レビューをお願いします…