1978年より、代官山の閑静な場所で多くの人を笑顔にしてきた一軒家フレンチレストラン。アーチをくぐり、テラスを抜けてマホガニーの扉を開けると、歴史ある趣と温もりに包まれた西洋式のダイニングが現れる。軽快なリズムと身のこなし、そして適度な親しみを込めたサービス陣のキャラクターの濃さにも圧倒される。おかげで、この格式ある空間にもすぐ馴染めてしまうのである。料理長を務める髙嶋寿氏は、フランスにある有名店の数々で修業を重ね、自由が丘「プティマルシェ」、西麻布「アルモニ」のシェフを経て、2008年に同店のシェフとなり、常連客からウェディングゲストに至るまでのすべてのグルマンにフランス料理の喜びを提供してきた。伝統的なフランス料理に忠実でありながら、日本の食材も取り込みつつ、色鮮やかでしなやかな一皿を生み出す。2017年に輸入が解禁されたフランス産の仔羊を、「背肉のロティと肩肉のラグー サリエットの香るジュ」として、2種の部位と調理法で提供するなど、長きに亘りフランス料理の歴史を追ってきた料理人ならではの、現代そして未来へと余韻を与える料理。確かな技術と確実なサービスで大切な一席を華やかに盛り上げてくれる、訪れるべきグランメゾンである。
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