実力派レストランが軒を連ねる御所南エリアに、京都生まれのシェフ、前田元氏が2012 年に開いたフランス料理店。呉服屋の屋敷だった大きな日本家屋をリノベーションした店内には、ゆったりとテーブルが並び、奥には季節を感じさせる坪庭が広がる。和洋混淆の実に贅沢な造りは、料理も然り。中国料理の修業経験も持つ前田氏は、フランス料理の伝統的な調理法を踏襲しながらも、出汁や和の食材も随所に用いる。たとえば「ホタテと茸のナージュ」は蕎麦のリゾットが添えられ、出汁の風味もよく効いた、まるで椀物のようなひと皿。メインディッシュのチンタセネーゼを飾るのは、食べるのが惜しいほど美しく彩られた京都大原産の45 種もの野菜だ。元は通り庭だった場所に置かれた大きなセラーには、フランスをメインに世界各地からセレクトした豊富なワインが並ぶ。白壁の蔵を利用した離れの個室も用意。土地や文化に対する解釈、素材を見極める判断力、全てを料理に集約するセンスと技術力。いずれもバランスよく備えた実力店。京都でしか食べられないフランス料理がここにある。
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