今、30代の若手鮨職人の活躍が目覚ましい。橋本裕幸氏はその代表格。「日本橋橘町 都寿司」杉田孝明氏のもとで12年間修業。2014年12月に独立し、新富町にカウンター8席の小さな店を開くや、あっという間に予約困難な店となった。ゆったり肘掛け椅子に座り、肴をいただきながら、穏やかな笑みを湛えた店主を見ていると、この店の人気の秘密が分かってくる。開店の際、掲げた「食材にこだわり、丁寧な仕事、心地よい接客」という、いささか生真面目なモットーを店の皆がきちんと守っているのだ。品の良い甘さを引き出した鮟肝を口にすると、日頃のワイン、シャンパー
ニュ好きも素直に日本酒に手が伸びる。酢飯は硬めで赤酢と米酢のブレンド、酢もしっかり目だ。穏やかな握りの流れに身をまかせているうちに時が過ぎ、旨味の滲み込んだ玉子に目を見張り、しじみ汁をすすりながら思う。こんな店が近所にあって、ふらっと入って来られたら、どんなに幸せか。あからさまに凄さを見せない橋本氏はやがて本当の名人になるのだろう。
鮨 はしもと(Sushi Hashimoto)で食事をしましたか?レビューをお願いします…