板長は、銀座の名店「●かねさか」系列のこの店を、28歳という若さで任されて早4年。つまみ、握りというコースで、自らが考えるスタイルを築きつつある。旬を捉えて、その季節の代表的な食材を使用。つまみの10皿は出す流れがたいへん良く、食材ごとの下ごしらえがきっちりしている。香りのつけ方、あしらいの工法に独自性があり、板長のオリジナリティーが出始めている。鮨は良品のネタを生かすため、頻繁にシャリを替えており、良い食感。塩と煮切りの程よいバランス、塩気が立った酢〆などから、確かな江戸前の技術が伺える。さらに自分流の良い仕事を加えて完成させているのは見事。8席の店内だけに、ゲストの個人差をよく見ており、リズム良く握りながら出す鮨の順番も良い。銀座の鮨屋としては若いゲストも多く見受けられ、店内は爽やかで穏やかな空気に包まれている。それは板長の謙虚さと親しみやすい人柄によるものだろう。
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