主人は言わずと知れた髙田晴之氏。最初のひと皿は蟹と海藻ときのこを菊の酢のジュレを菊文様の皿に載せた一品。秋の訪れを感じさせる器と酢の透明なジュレに映える黄、白、赤、黒、緑、茶の色彩は、見惚れてしまうほどの美しさだ。口中で溶ける酢のジュレが蟹の甘さを見事に引き立てる。向付けは濃い口の泡醤油でいただく平目、剣先烏賊、鮪。泡醤油を少しだけのせると素材の甘さがより感じられる。椀はこんがり焼いた甘鯛の入ったむかごの真丈。香ばしい出汁が甘鯛の旨みをさらに引き立てる。焼き物は見て楽しい秋の彩り、エゴマの味噌を載せた柿の葉の上で、銀杏形に抜いた長芋雲丹、里芋、栗、銀杏、帆立を焼く。じゃがいもの千切りととびっこを和えた名物「はりはり」はシャキシャキした食感と魚卵の塩梅が素晴らしい。合肴は長良川の支流、吉田川の子持ち鮎。遠火の炭火でカラッと焼いてあるので、頭からカリッと全て食べられる。〆は愛知県産の生海苔茶漬けをさらりと薄味の出汁で。五感を研ぎ澄ま
す素材の味や食感、色彩を活かした独創的な料理は、さすが「たか田八祥」と言わせるだけのものがある。
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