フランスの名店で修業、帰国後は日本のレストラン経験を積むことなく東京・西麻布に自身の店を構える。白で統一された店内は、間接照明に浮かび上がり、洗練された明るい雰囲気に包まれている。ゲストに料理のコンセプトを理解してもらうため、ひと皿ごとの解説を書き記した紙とともに食材サンプルを小瓶に入れ、テーブルに運んでくる。手に取ることにより、口にする食材の形状、色や香りが鮮明に記憶に残るように、という思いからだ。次々に供される皿が、記されたメニュー書きから我々が想像する以上のものであることに驚く。そこにはシェフの高い志が見てとれる。コースの最後は「ケーキ屋さんで大人買い」と題された11 種類のデザート。ひとつのプレートで一挙に提供され、その彩りに目をみはる。グランメゾンのようにデザートワゴンで迷うことなく、各自のプレートで至福の時の締めくくりが演出される。この店の斬新な表現法は、ゲストに新しいレストラン体験をもたらすことだろう。
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